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20世紀の黎明、あるいは、、え?または?

酷寒の荒野にひしひしと押しよせる夕闇の中、兇暴なエスキモーたちは、採鉱師や猟師の住むささやかなキャンプをぐるりと速まきにして、一人のこらず惨殺しようと機をうかがっている。
もはや白人たちの運命は風前の灯。
そこに忽然とあらわれるのが、ほかならぬフランク・リード少年が建造したばかりの飛行船オービット号。
彼らは北極圏一周流行の途中なのであった。
「ポンプ、例のやつで行こうぜ」
「あいよ、旦那さん」
船体からスルスルと下りてきた一本の綱は、ひしめくエスキモーの大群のどまんなかへ。わけもわからぬまま、エスキモーどもがわっとその綱にとびつく。
「バーニー。スイッチ入れろ!」
「おう! やるべえ」
パッと紫電一閃! あっという間にエスキモーどもは感電死。
ブラ下っていたのがただの網とおもいきやこれが太いケーブルで、その末端はオービット号に積まれている大型発電機へつながれていたのである…。
                      〈SF英雄群像:野田昌宏より〉

カオール!皆様お元気でいらっしゃいますでしょうか。
いきなり現れましたフランク・リード少年とはいったい誰?そしてその運命は!? 

フランクリード2世の蒸気男

前回有耶無耶に(漢字でこう書くんだ、へぇ)してしまった弊ブログのタイトルの元ネタはここにあります。
ではフランク・リードシリーズにつきまして引き続き高校時代からのバイブル「SF英雄群像」より引用しますか。

19世紀の中頃から20世紀始めにかけてのアメリカで、ダイム・ノベルという出版物が非常な勢いで流行したことがある。
ダイムとは10セント貨幣のこと。つまり10セントで買える週刊の読み切り小説本のことをダイム・ノベルと呼んだ。
1850年代の中頃に、E・F・ビードルという人が10セントではやりうたの本を出版したところ大変な評判をとって売れに売れたというのがそのはじまりである。これにすっかり味をしめたビードルは、インディアン征伐や西部開拓物語、それにアメリカ建国秘話などをそれぞれ読み切りの形で続刊した。たまたまこれが南北戦争とぶつかって、従軍兵士の間で大変な勢いで売れ、南北戦争終結の1865年までにはのべ400万部を売り切ったという。
このブームは20世紀に入って、マンシー系の雑誌であるオール・ストーリーズ誌やアーゴシー誌など、俗にパルプ・マガジンと呼ばれる大衆雑誌が抬頭するまでつづいたのだが、この中に”インベンション・ストーリーズ(発明物語)”と銘打った科学大冒険ものもたくさん入っており、その代表とされるものが、<フランク・リード・シリーズ>なのである。
                        〈SF英雄群像:野田昌宏より〉

お分かりいただけただろうか、中黒が多くて打つのが結構大変なのである。
正直言って読んだことはありませんが、今読んでもそんなに面白いかどうかは疑問です。
その昔日本ではやった立川文庫のようなものだと思っていただければ(これも読んだことはない)よいかと。
まぁこれ以上の解説はぜひとも野田大元帥の「SF英雄群像」でご確認ください。

真鍋博のこの表紙が好き

現在は絶版で入手できませんが(地元は図書館にもありませんでした)機会があればぜひ。
大元帥(SFファンにはこれで通ります)はすごい人なんですよ。
何といってもキャプテン・フューチャーの紹介者、SFの翻訳者(スペース・オペラが多い)、ガチャピンの元ネタ(似てるでしょ)、麻生元総理の親戚と挙げればきりがありません。

で、なんでここから弊ブログのタイトルに結び付くかというと、フランク・リード・シリーズはタイトルがかっこいいのですよ。
特にフランク・リードJr(2世)。

「フランク・リード二世とその電気空中帆船-またはアズテックにおける大発明家」
「フランク・リード二世とその蒸気馬-または地下牧場の謎」
「フランク・リード二世と電気空中カヌー-またはダイヤの谷の探検」
「フランク・リード二世と彼の電気三輪自転車-または彼のうるわしき義侠」
「フランク・リード二世とその新型電気潜水艇ーまたは潜水による北極点通過」
「サハラの地底-またはフランク・リード二世の潜水艇による地下水路の探検」
「失われた惑星ーまたはフランク・リード二世の新型空中船<黄道号>による隕石探索」
「空中島の怪-またはフランク・リード二世の新型飛行船による大冒険」
                        〈SF英雄群像:野田昌宏より〉

あれ?「または」じゃんw( ̄o ̄)w

そうです、勘違いとはどこにもあることで「または」と「あるいは」を取り違えていたという。。(ま、いっか)
「あるいは」でもいいと思いますよね、ね?(圧)

それもそうですが、上記の「フランク・リード・ライブラリー」を見ると
FRANK READE Jr AND HIS NEW STEAM MAN OR THE YOUNG INVENTOR’S TRIP TO THE FAR WEST
グーグルさんに翻訳をお願いしたところ
「FRANKREADEJrと彼の新しいSTEAMMANまたは若い発明者の遠い西への旅」
「または」なんですね。。

最後にFRANK READE Jr AND HIS NEW STEAM MANで思い出してしまった日本語に変換しにくい英語AND HIS。
その昔ビル・ヘイリーと彼のコメッツとかロックンロール初期にこんなバンド名が多かった気がしますが直訳だったんですね。
それでは本日はビル・ヘイリーと彼のコメッツのRock Around The Clockでお別れです。
さらばーい(* ̄▽ ̄)ノ

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